私がマレーシアに惹かれる理由

Kaleidoscope
私は昔から「急激な変化の圧力によってとってもマーブルになった地域」が大好きでした。
東北育ちの私は田舎の農村・漁村の風景ももちろん好きですが、そういう「好き」とは別な理由で東京をこよなく愛しています。古いものと新しいものの共存ぶりが絶妙だからです。
もちろん田舎にだって新しいものは入ってきていますが、それはなんというか、なんとなく入ってきたというか、変化の度合いとしては非常に緩慢です。ニュータウンはたくさん造成されていますが高層マンションなどはほとんどできないし、山一つなくしちゃいましたということもないので風景にそれほど変化が出ないような気がします。少なくとも私の好きな「東京」ほどには。

そんな私にとって、クアラルンプールの文化のマーブルっぷりはそれはそれは衝撃的でした。そしてその後知ることになるマレーシアの全体像はさらに衝撃的でした。イスラム教の国というからどんなに閉鎖的かと思って行ってみると、いろいろな宗教、いろいろな文化、そして古いものと新しいものもめちゃめちゃごちゃごちゃです。文化的な面だけでなく、世界有数の熱帯雨林地帯と世界有数の美しいビーチまで備え、まさに観光と衣食住と好奇心のためのワンストップチャネルというか・・・。そして、そのマーブルさがあくまでマーブルであること。「るつぼ」ではないこと。共存はしているけれど、お互いがあまり混じり合っていない。あたかもその美しさは万華鏡のようです。

人にやさしく
マレーシアのような国を、他のイスラム教国の人々はどう思っているんでしょう。
妬まないか、非難しないかが心配です。
よくガイドブックなどに「マレーシア人の寛容性」ということが書いてありますが、大袈裟な表現でもないと思います。イスラム教徒にとって異教徒とこんなに近くで暮らすのって、どうなんでしょう。スカーフを巻いた女性の隣のベンチに肌露出しまくりの女性が座っていたら、彼女はどう思うんでしょうか。「なんなのよ、はしたないわね」なんて思うんでしょうか?でも、仮に思っていたとしても口には出さない、それがマレーシアなんだと思うのです。観光客でも女性は肌が見えない服を着て髪を隠し、体のラインの表れる服は着てはいけない国や、お酒も持ち込めない国がある一方で、マレーシアという国が成り立っていること自体すごいことなんじゃないでしょうか。
マレーシアの「Wawasan(ビジョン)2020」・・・2020年までに先進国の仲間入りするという目標、これが達成されたら、マレーシアは世界でも有数のモデル国家になると思います。熱帯雨林の保護と近代化を両立させ、国教のイスラム教と他宗教とを両立させ、ブミプトラ政策下でもマレー人と他民族を両立させ・・・本当にこんなことが可能であれば、素晴らしいことだと思います。そして、せめて心構えだけでも見習ってほしいなと思う国もたくさんあります。他民族に対する寛容性、ということについて。

夜空に乾杯を
赤道直下の国、マレーシア。夜明け前から暑くて、鳥の声やコーランの声にうとうとしながら、夜明けも遅くてのんびりしていて、日中はドカーンと暑くて、夕方にはスコールが通り過ぎ、日の入りは遅く夜もいつまでも暑い・・・。
屋台にはいつも美味しいものがたっぷり溢れ、人々は仕事を早々に切り上げて街に繰り出す。
東北に生まれ育って寒がりな私には本当に羨ましい限りです。あんなに暑い国に行ったら、なんとなくやる気も戦闘意欲もなくしそうです。(笑)
毎晩夜空に向かって乾杯するんだろうなぁ・・・。

(05.07.21加筆)